アサリの島流し紀行

東京・高円寺から貯金をするために小笠原諸島へ住み込みバイトに行ったバンドマンの日記。都会の超夜型ライブハウスマンが1000kmはなれた船でしかいけない島で人間に戻っていくドキュメントでもあります。Twitter→@asari309 asari official WEB→http://asariweb.net/

アサリの島流し 100日目 - ライブ!スポーツ!主にビール!

カタツムリがご無沙汰になるくらい晴れが続いています。気がつけば島流しも100日目。なんと!先週末はバレーボール大会とアウストロライブ、テニス部に野球、と怒涛のごとく遊んでいました。という日々を今日は駆け足で書いてみます。いろんな職場の人が混じ…

アサリの島流し 94日目 - 蓄えられるもの

西日の時になると、世界はいつもより一段と活き活きして映る。地球の横顔はとても美しい。忙しかったGWが終わった休み、久々ひとりゆっくり浜で飲みながら記事書いてみてます。5月に入って仕事の合間の遊びも本当に慌ただしかったけど、最近では仕事だってな…

アサリの島流し 80日目 - 魔法にかけられて

車とバイクの免許を取る、ということが果たせぬまま30代に突入してしまった私にとって、ドライブとは夢の出来事であった。普通に大したことではないかもしれないが、様々な事情で果たせなかったドライブ。ああドライブ。それはこの島で人生ファーストドライ…

アサリの島流し 77日目 - 自由の集い

昔から地図を見るのが好きだった私は一時「人跡未踏」という言葉にハマって、やたらwikiサーフィンをしていた時期がある。もしもそこで暮らすなら?そのサバイバルや生活の不自由を細部にわたって妄想するのが大変楽しかった。私にとって、ここ母島に来るこ…

アサリの島流し 69日目 - 梅雨と祭りの季節

別れが多かった年度末から、たくさんの出会いがある年度始めになった。雨が増えたのと時を同じくして、職場のスタッフも増えた。最近は新しい仲間も馴染んで、賑やかにみんなでしゃべったり飲んだりも増えた。私も、昼休みすれ違う人の9割が知っている人、に…

アサリの島流し 63日目 - サザンクロス

星の王子様を読んだ時、あの小さな星に王子様が1人で住んでるなんて変な話だ、と思った。地球から考えたら、やはり空想のお話だし、と思った。けれど、サン=テグジュペリは見たんだろうな。砂漠で、星空を。写真)暗い夜の海に見える灯台の光。この記事は星空…

アサリの島流し 54日目 - 島と友達

友達ってなんだろ。よく内地で聞いた「いやいや友達ではなく知り合いです」や「友達っていうか職場が一緒だけで同僚です」はどこから友達になるのだろう?気がついたらもうすぐ2ヶ月。あれ、まだ2ヶ月だったっけ?私の友達は大事に思える人、が友達だ。今日…

アサリの島流し 45日目 - もしもコンビニがなかったら

私の一番好きな歌の歌詞に”The night was dark. It was blackest that I've ever seen.”というのがありますが、母島の夜はまさにそれでした。その昔…は普通のことだったかもしれない。いまや日本全国津々浦々にあるであろうコンビニ。街に「もしもコンビニが…

アサリの島流し 34日目 - 船待ライブ

音楽がそこにある時、必ずパートが2つある。「聞く」パートと「奏でる」パートである。中には最近の私のような、聞くパート:私、奏でるパート:私、である時もある。何しろ何かを奏でる者と聞く者がいるのである。ずっとバンドマンの中にいると、奏でるパート…

アサリの島流し 31日目 - 白地図の色

31日目、3月9日は誕生日でした。見知らぬ土地に来て1カ月目。しかも見知らぬ島。まだ知らない人やことばかりだけど、良い天気の素晴らしい太陽が私にとって最高の日だった。おまけに日食!それだけで幸せと思ってた私に、思いもよらぬ1日は待っていた。今日…

アサリの島流し 28日目 - 森に吹く風

プロフィールは横顔という意味がある。昭和の小説やらでよく出てくるこの言葉使いはとても好きだ。言葉やらテーマイメージ通りのサウンドではなく、敢えて間反対の曲調の中に、強烈なメッセージが映える、ということが音楽にもあったりするのだけれども。こ…

アサリの島流し 21日目 - 何して遊ぶ?

時間というものは人にも、いや生物やすべてに平等にある。だけどその長さは違うと思う。だって時間の長さは測り方、感じ方によるから。 人間の子どもと老人では違うし、寿命数か月の虫と10年のヤモリ、何千年の木なんかじゃそれぞれに違うだろう。都会や田舎…

アサリの島流し 16日目 - 道のはじまりと終わり

点には始まりと終わりがないけど、閉じていない線には始点と終点がある。環状線のように輪になっていないすべての道路には始まりと終わりがある。前記事まで日付飛ばさずにタイトルつけようかと思ってましたが、あまり書けないこともあって追いつかないし、…

アサリの島流し 8・9日目 - 当たり前でないのが当たり前

島に来る半年ほど前からよく考えていたことがある。私はライブハウスの人だしバンドマンだけど、音楽をいろんな人に聞かせたいと思う、そのいろんなお客さんは、バンドマンじゃないしライブハウスの人でもない。だから、私の普通はもしかしたらお客さんの普…

アサリの島流し 6・7日目 - 海の真ん中の山

海岸線に沿って歩くと、海がキラキラしている。少し曇がかってはいたが人が少ないのも贅沢なくらい気持ちのいい風。島に来て初めてのおが丸が竹芝へ行き来している間、所謂「出港中」を迎えて、午後の仕事は初めてお休みをもらった。いつも通り前浜あたりを…

アサリの島流し 3~5日目 - シエスタのある1日

到着当日から有無を言わさず始まった私の住み込み労働生活であるが、初っ端から一番びっくりしたのは昼休みの長さである。 朝6時、目覚ましと同じくらいにふと目が覚めた。窓を開けるとまだ涼しくしゃんとした朝の空気に空がすこんと高く抜けている。鳥の声…

アサリの島流し 2日目 - 海のむこうの普通の街

(おがさわら丸25時間の旅 後編) 夢を見ていたから、すっかり家で寝てる気分だった。 目を覚ましてからしばらくぼーっとして、やっと船がものすごく揺れている事に気づいた。立ち上がってみるとシーソーの真ん中のあたりを行ったり来たりして立っているみたい…

アサリの島流し 1日目 - 太陽が神様っていうの、はっきりわかった。

(おがさわら丸25時間の旅 前編)よく晴れた2月5日の竹芝客船ターミナルは平年より少し暖かいけど、とはいえ真冬の東京。海風は肩をすくめるくらい冷たかった。乗船口で幾人か見送りにきてくれた人々と別れてからのことからはじめる。入口の係員に乗船券を渡す…