読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アサリの島流し紀行

東京・高円寺から貯金をするために小笠原諸島へ住み込みバイトに行ったバンドマンの日記。都会の超夜型ライブハウスマンが1000kmはなれた船でしかいけない島で人間に戻っていくドキュメントでもあります。Twitter→@asari309 asari official WEB→http://asariweb.net/

アサリの島流し 3~5日目 - シエスタのある1日

母島探検
到着当日から有無を言わさず始まった私の住み込み労働生活であるが、初っ端から一番びっくりしたのは昼休みの長さである。

朝6時、目覚ましと同じくらいにふと目が覚めた。窓を開けるとまだ涼しくしゃんとした朝の空気に空がすこんと高く抜けている。鳥の声と山の気配に海の風。申し訳ないくらい素晴らしい朝が来ていて、夢と現の間をよろよろしながら支度をする。

ああ、今日からすっかり母島で暮らしてるのか。

朝6:50、エプロンをして建物裏手の自室から職場へ出勤する。7:30の朝食に合わせ手分けして支度をして、お客さんの朝食を終えると今度は我々の朝食。朝ドラを見ながらスタッフみんなで賄いを食べる。そこから夕食の仕込やルームメイク、お客さんの送迎、併設カフェの運営、などと手分けして午前の仕事をすすめる。

11:30を過ぎると、キリのいいところで午前の仕事は終了、と声がかかった。日によってまちまちだが、短くても14:30、長ければ16:00まである昼休み…というよりもはやシエスタがやってくる。またみんな揃って賄を食べて自由解散、になった。

私達がペンションのような仕事だからその業種はこういうスタイルなのか、と思いきや、この島は基本的に朝早く動き出して、午後、遅くても夕方には仕事を終える人が多い。私たちは夕食があったりお客さんが泊まっているから夜も仕事があるが、この島で飲食店以外に夜がつがつ働く人をあまり見かけない。

これが人間のデフォルトなのだろうが…ライブハウス漬けで超夜行性、朝まで飲んでまた昼から仕事を繰り返していた私には清らかすぎてうち震える。

なんという健康。太陽よありがとう。


というシエスタをもらって、まだどう過ごしていいのかつかみ切れていない私は、とりあえず集落中心に探索してみることにした。

f:id:shima_asari309:20160212215110j:image

店を出てすぐ、山の気配はここからきてる。

静沢の森というらしい。こんなに海のそばでも山の匂いがする。

まっすぐもう15秒歩くと一番近くの港があった。

f:id:shima_asari309:20160212215148j:image

f:id:shima_asari309:20160212215207j:image

ダイバー仕事の人がうろうろしている。港の機材みたいなのがころころ転がしてある。

通り沿いにはずっとハイビスカス咲いてた。

f:id:shima_asari309:20160212215252j:image

さっきの港から右に曲がって1分くらい奥に進むとダイビングショップの先にウミガメ産卵を保護する浜があった。 

f:id:shima_asari309:20160212215318j:image

水がきれいすぎてくらくらとする。ってこの島ではどこでもそうなのだが…。

ウミガメ浜の先は脇浜なぎさ公園。

f:id:shima_asari309:20160212215418j:image

f:id:shima_asari309:20160212215445j:image

一番近いからその後ギター弾きに行ったりヨガしにいったり、星を見に行ったり犬の散歩したりなにかと勝手よく通うことになった。泳げる季節になったらシエスタは水着だな。

公園の奥の方から階段登るだけで鮫ヶ崎にたどりついた。

f:id:shima_asari309:20160212215532j:image

f:id:shima_asari309:20160212215600j:image

f:id:shima_asari309:20160212215621j:image

ザトウクジラのスポットとは聞いていたが、展望台があってほんとに夕日とクジラが見放題くらい見える。

f:id:shima_asari309:20160212215709j:image

f:id:shima_asari309:20160212215724j:image

f:id:shima_asari309:20160212215736j:image

大体のお客さんは滞在中、ここに何度も訪れているらしい。私と同じ船で来たお客さんにばったり出会って教えてもらった。

私の働く場所は母島の人が住む集落の中でも一番西の端。職場から公園と逆方向の左に歩くと船が着く母島の玄関、船客待合所。

f:id:shima_asari309:20160212215824j:image

といってもこちらも5分かからないくらいだが。

ここの喫煙所は私の一番よくいくお気に入りの場所になった。ウッドデッキでヨガもできるし自販機あるし、夜通りがかるといろんなサークルがかわるがわるここで練習をしている。

f:id:shima_asari309:20160212215850j:image

港の奥をさらに進むと元地集落。

f:id:shima_asari309:20160212215935j:image

f:id:shima_asari309:20160212220054j:image

この島の超中心地。3軒の商店、郵便局、交番、役所、保育園、小中学校、福祉施設すべてここにある。

ロース記念館。

f:id:shima_asari309:20160212220151j:image

郷土資料館的な場所。散歩中よくトイレを拝借する。静かで心地の良い小さな建物。

これらの場所ぜんぶ歩いても1時間以内で収まってしまう小さな集落。

ということでシエスタ3日分でこれらを十分くまなくめぐって遊んで探検しつくしてしまった…。なんせ一日3・4時間は真昼に暇なのだから。

私いったい何しているのだろう…。こんな暮らししてていいのか?なんか申し訳ないくらいで、もっと働かないと悪いんじゃないか?シエスタ散歩中に頭の中で何度も沸き起こった。けれど、この島の人は誰一人そんなこと思っちゃいないし、かといって働いていないわけじゃない。必要十分に働いて、ごく普通に暮らしている。

私は東京で、消費することに追いかけられ馬車馬のように働いていた。働いて生産が上回れば馬車もちょっとはゆとりがでるだろうと。

けれどそいつは異常な消費にやられちゃっていただけで、使う先がないここではひどく裕福というわけではなくても、それなりの時間働いてそれでみんな十分ゆっくり暮らしていけてる。

それによく考えたらシエスタ挟んでも、私きっちり8時間以上働いているじゃないか…いったい東京で何時間働いてたのか…たぶん…やっぱ異常に働いてたような…。

ごにょごにょと考えるくらいなら日光浴でもしたほうがいいなと思って、結局太陽の下でちょっと昼寝して仕事に戻った。

f:id:shima_asari309:20160212220323j:image

ここにいる間にきっと、シエスタのすばらしき使い手になろう。