アサリの島流し 161日目 - アーボマンと島っ娘ライブ
この島には海と森がある。
私達にはBECKがいた。
アーティストのBECKでも、漫画のBECKでもない。犬のBECKだ。
それは今も私達の作ってきた音楽と私の手が描く線の上を、鼻水垂らしながら元気に走っている。
人の愛と人の手仕事には、そういう時間を超えていなくなってからも生き続ける丈夫な魂の様なものが宿るのかもしれない。
この人達が切った木や手がけた森にも。
6月のある日、いつもよく遊ぶ同級生ののりちゃんから昼休みドライブしようと誘われた。
その先の東港で会ったのが、無邪気に泳いだり釣りしてるおじさんとお兄さんの間くらいの人達(失礼)…それがアーボマン達だった。
関西出身が多く非常にノリのいい人達。その東港まで彼らが乗ってきたワゴンからちょろんとギタレレが顔を覗かせていた。
ちょっと弾かせてもらってもいいですか?!
ワゴンに寝っ転がって弾いた、これが後で知っていく、アーボマンの音楽に触れた最初だと思う。
母島の宿にいると、遊びに来る以外にも様々な仕事の人がやってくる。公務員はもちろん、取材の人、調査の研究者、土木工事の人…。
アーボマンはちょっと変わった木こりの集団だった。母島の森には、人が持ち込んだ外来種で生命力が強くどんどん増え固有種を脅かすと危惧されている、アカギという木がたくさんある。彼らは研究者の人がマークした切った方が良い木を切る仕事をしに来た木こりさんだ。
切ると簡単に言うけど、とてつもなく背が高くて、しかも混みいった急峻な場所に生えてたりする背の高い木…。一度倒木を実際に見たけど、言わずもがなとてつもなく重たいし、危険な仕事である。
島の人から、すごくオシャレな切り方するのよ!と高い評判を聞いたが、どんなのがオシャレなのか私には想像がつかない…が、アメリカ仕込みのテクニックらしい。
仕事はなんだか大変そうだけど、オフはとにかく陽気で仲良しな木こりチーム。
知り合ってからの滞在中、いつもユニークなオリジナルTシャツを着てしこたま飲みながら、夜な夜なギタレレウクレレをガシャガシャやってご機嫌な宴会を開いていたから、私も参加しないはずはない。
飲みに飲んで、時には音楽の話を深夜までYouTube片手に語ってたり、まるでライブハウスみたいな夜が続いた。
光るキノコ、グリーンぺぺを見に行ったり。
誕生日会で全員ケーキぶつけたり。
毎夜の即興セッション。
その彼らが去る前の日の夜が来たのは、ちょうど私が誘ってもらった2回目のライブイベントの日だった。
せっかくだからこの1か月のジャムの成果を…とコラボでの演奏もやった!
7/17に行われた「島っ娘ライブ」は、以前より出演が少ない分、各出演者が30分弱しっかりとステージして、見応えもたっぷり!居酒屋なので飲みごたえも!笑
私は、島のイベントではお馴染みのウクレレ弾き小西さんとも一緒に演奏!
すごく新鮮な曲をやれて楽しかった!
その日のセットリストはこちら
7.17島っ娘セットリスト
1.HOMETOWN
2.カリフォルニアの青い空(Uke.小西さん)
3.Riptide(Uke.小西さん)
4.栃東の取り組み見たか(アーボマン are Voじんさん ギタレレ平井さん ブルースハープ綱さん 三線のりちゃん クラップしみさん&隆朋君)
そして、翌日、アーボマン達は帰って行った。
正確には、翌日一部父島のカヌー大会に出場して!
そして彼らはまた秋に、相撲大会とライブ出演しに、そして森を守りに来ます(どっちがメインかわからなくなってきてる)
ほんとにピュアで楽しい音を知ってる木こりさん達。
私も秋に向けて、音楽鍛えとかないとな!