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アサリの島流し紀行

東京・高円寺から貯金をするために小笠原諸島へ住み込みバイトに行ったバンドマンの日記。都会の超夜型ライブハウスマンが1000kmはなれた船でしかいけない島で人間に戻っていくドキュメントでもあります。Twitter→@asari309 asari official WEB→http://asariweb.net/

アサリの島流し 180日目 - 嵐が止むまで待って

母島の暮らし

島で暮らすということ。

ある日の昼下がりに見た景色。

こんな美しい場所で余生を過ごすなんて、まるで映画のような人生だと思う。

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しかしこの小さい島は、8月の嵐から逃げることができない。

 

この南の海にぽつんと浮かぶ島は、もっと南で生まれる台風の、ちょうど通り道にある。

もとい、船でしか来れないということは、海が悪くなると見たまんまズバリ、孤島になる。

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8月といえば…と前から聞いていたこの島の、特に宿業にとってひたすら運を天に任せるしかない…嵐の季節がやってきたらしい。

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最初の台風は8/6〜7にかけて、きれいに船の航路の横を通り過ぎた。

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その影響で8/7のおがさわら丸の欠航が決まった。

7日がちょうど入出港の日だったので、夏休みベストシーズンでいっぱいだったその日帰る予定のお客様が帰れなくなった。

そしてその日くる予定のお客様はキャンセル…。その日届く荷物も届かない。

おまけとしては、私の予定してた父島の野外イベントも延期に…。

 

昨年は三週間くらい食材が届かないこともあったらしいし、ここの仕事では必ず起きることとして聞いていたがやはり。

お客様に延泊やら父島へ移動やら、来れないからキャンセルの確認に追われる。

長い休みが必要な小笠原への旅は、かなり前から計画してる人ばかりだから来れない人の声はとても残念だ。

 

…が、案外なこともある。

反対に帰れなくなってしまって仕方なしここに残ることにした人達は…

なぜかテンションがちょっと上がっている 笑

 

子供の頃、確かに台風が起きると大人は慌てふためいているのに、子供はちょっとソワソワして楽しんでいた…それに近い。

お盆前だったし腹を括ってどうせならと延泊した人達は、結局島自体の天気があまり荒れなかったのもあり、逆に楽しんでいた。なんか微笑ましかった。

 

もちろん、たくさんの島民の生活にも影響が。私と同じく予定が飛んだり仕事が休みになった友達がたくさん!

仕方ないか!とオリンピックの開会式やバックトゥザフューチャーを見てだらだら飲みに行ったり、なんか不意にのんびり時間を過ごすのも意外と楽しんだ。

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ちょっとしょんぼりしてたのは、その日から内地で夏休み予定だった島民…。せっかく冷蔵庫空っぽにしたのに…と買い出ししてた…。

 

幸い、嵐が通り過ぎて船の欠航以外に直接の被害といえば、岸壁で飲んでてたまたま吹いた突風でドンタコスが舞ったくらいだ。

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と思ったら…

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また来る…チャンスー(名前も何かね…)

18日、入出港…(白目)

 

来てしまったからには仕方ない。

嵐が止むまで待ってよう。

 

そんな台風以外にも、この島では逃げることができない嵐が心の中にやってくることがある。

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それはこの島の人の多くが、たくさんの誰かやどこかとしばし別れ、遠く離れて暮らしているからだ。

 

それは嬉しいこと、そして悲しいことの報せ。

 

通信もSNSまで発達した今、ここにいるからといって何かの連絡や情報にタイムラグはない。それについて、遠くても話し合える。 

 

けれどあまりに交通の僻地にある為、側に駆けつけて誰かの手を取り肩を叩き合うことが簡単にできない。いつもその報せに1人ぽつんと向かい合うことになる。

 

嵐が来ても逃げることができないということ。

嵐の夜を1人で越えるという試練は、遠くまで旅をしてやって来たこの島の誰もに起きるのだろう。きっと島の多くの人は、そういうことで1人空を見上げたことがあると思う。

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だからかな。

ここで生きている人は、みんななんとなく荒波にも1人で立ち向かう強い心を持ってる人が多い気がする。

 

私も少しずつ強くなってるのだろうか。

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