アサリの島流し 69日目 - 梅雨と祭りの季節
別れが多かった年度末から、たくさんの出会いがある年度始めになった。雨が増えたのと時を同じくして、職場のスタッフも増えた。最近は新しい仲間も馴染んで、賑やかにみんなでしゃべったり飲んだりも増えた。
私も、昼休みすれ違う人の9割が知っている人、になって、すっかり日焼けの肌色が濃くなった。
島に来る前に「はっきりとした梅雨はない」という情報を聞いたけど、一応梅雨らしき時期があり、それが4月の今くらいからだそうだ。
カタツムリが増えて、オタマジャクシはカエルに変わり始めた。
噂に聞いていたアフリカマイマイとカエル達はやはりでかい。虫が苦手な新しいスタッフが絶叫する黒いあいつもなかなか増えてきた。
でも私はといえばすっかり慣れてきちゃって、センサー故障してるのか素通りしてしまうが…。
島で雨が降ると大抵盛大だ。換気扇や食洗機のスイッチつけたまま?ってくらいの轟音とどろかせてスコールのように降る。
雨上がりは、山から流れたのか島の赤土で道が真っ赤になってた。
砂浜にもしっかりと雨の跡が。
いつもは透き通った海の水も濁ってる。
でも雨上がりは生き物共通の喜びを見せてくれる。
今回は3日続いたが、雨が降ったり止んだりの間は鳥達も食事がなかなかできないので、雨が上がるとみんな一心不乱に草むらを啄むみたいだ。
人間の私も久々の太陽で光合成、気持ち良い伸びをする程。
花ももちろん待っていたのだろう。
しばらくは雨と仲良くしなければならないこの季節、それでも楽しみなこともある。
それより少し先駆けて、こないだの週末、はは丸ナイトというお祭りがあった。
島唯一の交通手段である船、ははじま丸。
その船員さんや、内地から来たミュージシャン、島の人たちによる様々な島ならではの踊りや音楽のパフォーマンス。私の職場でもお祭りで振る舞われる食事を作ったりした。
先月のライブイベントからまた、私もだいぶ知ってる人が増えて、地元のお祭りって感じで楽しい夜になった。中でも練習に参加させてもらってる小笠原太鼓が船の上から大地に響く様にはとても感動した。
宿泊してたお客さんもすごく興奮して楽しいって話しかけてくれて、なんだかちょっと誇らしかった。
と…あれ?いつの間にか、私もここが地元のような気分になってるのだなあ。
季節の変化がわかりにくいここでも同じ地球の島。やっぱり、少しづつ変わる。
3ヶ月目に入って、そうだ、次の季節を迎えたんだ。
この頃は、ここの島の風の匂いでホッとしたり、すっかりぐっすり眠れるようになった。
新しいスタッフに自分の好きな場所を案内したりもするようになった。
そして、来月の5/14には初めて島のイベントで演奏をすることにもなった。
この島の新しい命が、梅雨の雨とちょっと早い夏の太陽をぐんぐん吸い込んで伸びする季節。
私も、風と海の音を聴いて眠って、ぐんぐんこの島が好きになってる。