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アサリの島流し紀行

東京・高円寺から貯金をするために小笠原諸島へ住み込みバイトに行ったバンドマンの日記。都会の超夜型ライブハウスマンが1000kmはなれた船でしかいけない島で人間に戻っていくドキュメントでもあります。Twitter→@asari309 asari official WEB→http://asariweb.net/

アサリの島流し 34日目 - 船待ライブ

母島の暮らし
音楽がそこにある時、必ずパートが2つある。
「聞く」パートと「奏でる」パートである。
中には最近の私のような、聞くパート:私、奏でるパート:私、である時もある。何しろ何かを奏でる者と聞く者がいるのである。
ずっとバンドマンの中にいると、奏でるパートの方が大きく取り上げられることが度々あったが、自分が奏でるとして最低1名、自分の耳には聞こえる。

1000kmほど南の海を渡ったこの島で、私は久しぶりに1000km北にいた時と同じ、そんなイベントを観に行った。ほとんど同じだったけど、何か少しだけはっきり違う、そんな日だった。
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3月13日はよく晴れた。
この日は島で楽しみにされているイベントのひとつ「船待ライブ」の日。
夕焼けがきれいだった17時過ぎ、町はどことなくソワソワした、夏祭りの前のようだった。

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昼からリハーサルの音が聞こえてた。小学生から年配の大人まで、いつもの島ファッションとちょっと違う、まるで高円寺の日曜日に見かけたような、少しだけバンドらしい格好をしてソワソワ集まっている。

中を覗くといつもの船客待合所(これを略して「船待」と呼んでる)には立派な音響や照明をセットしたステージができていた。
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17:30の開場から、街のいろんな人が集まってくる。もちろん都会のライブと同じく、大人はビール片手に。

全部で11出演あったこの日最初のバンドは小学6年生の4人だった。
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なんで学年まで知っているかって、先日観に行ってみた小学校の音楽発表会でも、児童が学年ごとに合唱や合奏を聞かせてくれていたから。

その時と同じく、ステージに現れた4人(Key.サポートは担任の先生)は、最初に礼儀正しく挨拶で「ドラムを叩く○○ちゃんが今度遠くへ引っ越してしまうので、その前に一緒にバンドで演奏したいと思いました。曲はその○○ちゃんが好きな曲を演奏します。」と話して始めた。

島で4人きりの同学年で、ちゃんといろんなパートを練習して挑んだ彼女達。好き嫌いや得意不得意もあるだろうに、ほんとすごいことだと思った。
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ドラムの彼女もとても練習して上手に叩けてた。先生は相変わらずピアノうまいし(この後、数バンドでも登場、しかもドラムも!上手だった…先生さすが)

そのあとは大人の出番。
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中には元インディーズやってたバンドマンも!
こんな場所で聴けるとは、というさすがな演奏。
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ウクレレキャラバンではたくさんの人が一緒に演奏してとてもハッピーな空気。
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いろんな人がパートチェンジしながらやるバンドも。ジャンルもソウルからメタルまで大変幅広く登場。
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そして途中にはダンスユニットが!
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同じ職場のスタッフでダンス経験ある子がリードして、かなり本格的!
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エグザイル的なやつもありました。
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後半はパンクバンドも!
(まさかこの島にあるなんて!)
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ぐっとベテランな方も。
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特に印象に残ったのは、来年みんな島を離れる(高校は母島にはないので)中学三年生のバンド。
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見ている歳下の子達の横顔。
大人もぐっと切なくなってました。

すべてのバンドがこの日の為に練習してきていたし、観に来る人もみなこの日をとても楽しみにしてた。話してみたらヒップホップ聞く?とか、メタルやらない?とか、ハワイアン好き、とかみんなバラバラ。けれど、すごくひとつこの日を待っていたんだ。
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そして何よりすごいなあと思ったことは、すべての音楽に、演奏するその先に、誰か聞かせたい相手がはっきりあったこと。

次は一緒にやりましょう!なんてたくさんいろんな人と話したけれど…

この島にはジャンルや技術の「分け隔てのなく楽しむ音楽」と、本当に素晴らしい「気持ちを伝える為の音楽」という文化がある。

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…と、そんなことマジメに言わずとも、私だってやっぱり音楽の前じゃどこいったって変わりなかった。
ロックがかかれば体は動くし、演奏がはじまればわくわくする。

そして、ライブの日は相変わらず飲みすぎちゃうんだった…。